梅雨は5月から7月あたりにかけて東アジア広域に見られる特有の気象現象です。
くもりや雨の日が数週間続きます。
この梅雨のもととなるのが、梅雨前線です。
天気予報などで聞く用語ですが、どのような記号なのか、梅雨前線をはじめ、その他の前線の種類はどのようなものがあるかなどを調べてみましたので紹介します。
梅雨前線はどんな記号?前線の種類と記号について
そもそも前線の種類はどのようなものがあるのでしょうか。
・寒冷前線
・閉塞前線
・停滞前線
この4つが基本的な前線です。
それぞれの前線がどのようなものなのか見ていきましょう。
温暖前線
温暖前線はここのような記号で書かれます。
温暖前線は、暖かい空気(暖気)が冷たい空気(寒気)の上をのし上がりながら西から東に進む現象を表したものです。
温暖前線では、比較的緩やかな空気の上昇によって雲ができるので、天気の変化もゆったりとしていることが多いです。
寒冷前線
寒冷前線はこのような記号で書かれます。
寒冷前線は、寒気が暖気の下にもぐりこみながら進んでいく現象を表したものです。
上昇気流が温暖前線の場合に比べてかなり急な傾きで発生するので、急激に雲が発達する特徴があります。
天気予報でよく聞く積乱雲を発生させやすい構造となり、強い雨を降らせることが多いです。
閉塞前線
閉塞前線はこのような記号で書かれます。
温暖前線は寒気の上を暖気が上り、寒冷前線は暖気の下に寒気がもぐる、ということを説明しましたが、寒冷前線の寒気の方が進む速さが速いので、温暖前線の寒気に追いつくことがあります。
つまり、寒冷前線が温暖前線に追いつくという形になります。
上の記号でも丸と三角が重ね合わさって書かれていますね。
実はどちらの寒気が強いかで、どちらが下にもぐるかが変わってきて違うパターンになるのですが、最終的には寒気が暖気を押し上げて、下に寒気で上に暖気が存在するという状態におさまります。
こうなると前線は消滅します。
閉塞前線は、前線が消滅する形なのです。
停滞前線
停滞前線はこのような記号で表されます。
私たちが住む日本を例に考えると、夏は暑くて冬は寒いですよね。
当たり前だと思われるかもしれませんね。
これは、日本付近は、夏は暖気が覆っていて、冬は寒気が覆っているということなのです。
つまり、夏と冬の時期は、暖気と寒気の境目は日本付近にはないわけです。
しかし、夏や冬になる前の時期はどうでしょうか。
どうしても暖気と寒気の境目が日本付近に来てしまうことがあります。
そうすると、その境目が日本付近にある間は、温暖前線や寒冷前線のように雨を降らせる状態が長い間続き、長い間くもりや雨が降り続いてしまうということになります。
これが停滞前線です。
暖気や寒気は止まっている訳ではないのですが、日本付近に停滞し続けているように見えるのです。
梅雨前線はどんな記号?梅雨前線とは?
4つの前線を紹介しましたが、「あれ、肝心の梅雨前線はないのか?」と思われたのではないでしょうか。
実は、梅雨前線とは上に紹介した「停滞前線」のことです。
先ほど、夏と冬の間に暖気と寒気の境目が日本付近にきて長い雨を降らせる、と書きました。
夏の前の停滞前線を梅雨前線、冬の前の停滞前線を秋雨前線といいます。
季節によって呼び方が違うのです。
梅雨前線はどんな記号?なぜ雨が降り続くの?!
では、梅雨前線があるときは雨が降り続くのでしょうか。
梅雨前線ができる時期は、日本付近で暖気と寒気がまさしくおしくらまんじゅうのように押し合いをしています。
梅雨前線の場合は、暖気の力が強くなると、寒気を押しのけて日本全体が暖気に包まれて暑い夏になっていきます。
ちょうど梅雨の時期は、暖気と寒気の力が同じくらいでどちらも引けをとりません。
押し合いの勝負がなかなか付かないので、ずっと暖気と寒気の境目が日本付近にある訳です。
そうすると、境目に雲ができて長い間雨が降り続けることになります。
梅雨前線はどんな記号?梅雨前線の構造と断面図
上の動画では、梅雨前線(停滞前線)の断面図を見ることができます。
梅雨前線は暖気と寒気の押し合いでした。
暖気と寒気が同程度の力のときによく発生します。
その押し合いの境目の断面図は、あるところでは温暖前線のように暖気が寒気の上を上り、あるところでは寒冷前線のように寒気が暖気の下にもぐりこみます。
暖気と寒気の接点は非常に不安定な天気になります。
梅雨前線はどんな記号?まとめ
今回は、梅雨前線について調べていきました。
・前線には、温暖前線、寒冷前線、閉塞前線、停滞前線の4種類ある。
・それぞれの前線の記号や特徴について。
・梅雨前線は停滞前線である。
・梅雨前線は、暖気と寒気の押し合いで長く雨が降る。
日常でよく聞く梅雨前線ですが、どういうものか分かると更に興味が湧いてきますね。
毎日の天気予報もこれからは、前線を見て空気の動きを想像してみると、楽しく見られるのではと思います。
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