「シナモン」と「ニッキ」と言われて何が思い浮かぶでしょうか?
私は、シナモンといえば、「シナモンロール」、ニッキといえば「ニッキ飴」などが思い浮かびます。
今回は、いまいちシナモンとニッキの違いといわれても、よくわからないという方に
「シナモンとニッキの違い?! 味や成分の微妙な差を徹底調査!」と題して、シナモンとニッキの違いついて、それぞれの原料、使用例や使い分け方を通して徹底調査した内容を紹介していきます。
ここで、シナモンとニッキの違いを知ってスッキリしていってください(^^)
シナモンとニッキの違い?!シナモンの原料とは?
シナモンは、知ってはいるけど原料までご存じの方は少ないかもしれないですね。
馴染みがあるのはアップルパイやシナモンロールなどの洋菓子です。
その洋菓子に使われることが多いのですが、使用方法などについては後ほどご紹介します。
まずは、シナモンの歴史について簡単に触れたいと思います。
古くから貴重な防腐剤や香料として使われてきたシナモン。
世界最古のスパイスの一つと言われています。
シナモンは、古代エジプトでは紀元前4千年頃からミイラの防腐剤として使われていました。
古代ギリシャの詩人サッポーの作品や旧約聖書の「エゼキエル書」にも登場しています。
もともとは東洋でのみ栽培されていたのですが、シルクロードなどを経て地中海沿岸まで運ばれていました。
大航海時代、ヨーロッパの探検家がシナモンを探し求めていました。
なぜ探し求めていたのかというと、商人たちが生産地を隠していたからです。
それくらい手に入れたかったスパイスということが想像できますね。
ヨーロッパの探検家の必死な表情が目に浮かぶようです。
では、日本に伝わってきたのは、いつ頃かというと、8世紀頃のことで、日本の時代では、飛鳥、奈良、平安時代になります。
ペッパー(コショウ)などと一緒に中国から生薬として入ってきており、正倉院の宝物で「桂心」という名で奉納されたものが残っています。
さて、シナモンと呼ばれているものは数種類あるのですが、原料は、スリランカ産の「セイロンシナモン」と中国、インドネシア産の「カシア」という樹木です。
日本に馴染みがあるのはこの2種類です。
両者とも、最も芳香性に優れた樹皮を剥いで、乾燥させるとシナモンができます。
もう少し詳しくいうと、セイロンシナモンは、樹皮のコルク層を取り除き、筒状にしてその中に細かい皮を詰めて陰干ししたものです。
皮は薄く上品な甘い香りを持っているのが特徴で、手間が相当かかっているため高級品です。
「セイロンティー」って聞いたことがありませんか?
スリランカ産のシナモンを使った高級ティーで、上品な香りがするドリンクです。
一方、カシアは、コルク層を残したまま樹皮を乾燥させることから、肉厚で甘く濃厚な香りを持っています。
セイロンシナモンと比べるとそれほど手間がかかっていないため、コストが抑えられていることから、一般的に流通しているシナモンはカシアが多いと言われています。
このセイロンシナモンとカシアはどちらもシナモンですが、乾燥させた樹皮の色に赤みがある方がカシアなので区別はできます。
では、「ニッキ」の原料は何なのか?
セイロンシナモンやカシアとの違いがあるのか、呼び名が違うだけなのか!?
次は、ニッキについてご紹介します。
シナモンとニッキの違い?!ニッキの原料とは?
ニッキとシナモンは似たような香りがしますが実は別物です。
シナモンは、スリランカ、中国、インドネシアなどが産地であるセイロンシナモンやカシアが原料であるのに対し、ニッキは日本産の肉桂が原料です。
ニッキ、シナモンは、いずれもクスノキ科ニッケイ属の常緑樹で近縁種ですので、似ている部分もありますが原料に明らかな違いがあります。
シナモンは樹皮を乾燥させますが、ニッキは、樹木(日本産の肉桂)の根っこの部分を乾燥させて作られています。
つまり、使う部分に違いがあるということです。
このように、原料や使用部分が違うため、味、風味にも違いがあるのは当然ですね。
簡単にまとめてみました。
セイロンシナモン
上品な甘い香りとマイルドな風味で辛みがないのが特徴。
カシア
濃厚な甘い香りとスパイシーな後味が特徴。
ニッキ
爽やかな甘い香りがありながらも辛みが強いのが特徴。
ニッキは、日本が奈良時代の頃から栽培が始まり、薬として伝来され、実際の肉桂の樹木として、日本へ伝来したのは、江戸時代と言われています。
食用のイメージが強いですが、生薬としても古くから使われてきています。
現在では、鹿児島、和歌山などで栽培はされているものの、収穫量が少ないため高価なものになっています。
ニッキと言えば、京都の上品な和菓子が全国的にも有名ですね。
次は、シナモン、ニッキの使い方、効果効能についてご紹介します。
シナモンとニッキの違い?!それぞれの使用例
先に少し触れましたが、シナモンが使われている食品ではアップルパイ、シナモンロールといった洋菓子がお馴染みですが、フレンチトーストやクレープも定番と言ってもいいです。
この洋菓子に使われているのがシナモンパウダーです。
その他にも、アボカドにはちみつとシナモンパウダーをかけるだけで、上品で香り高いデザートになってしまうのです。
はちみつとシナモンの相性が抜群なので、バニラアイスクリームにも応用できます。
想像するだけで、今いる部屋にシナモンの香りがただよってきそうですね。
シナモンには、スティック状もあります。
スプーン代わりにして、ココア、カプチーノ、紅茶に添えるとシナモン独特の風味が加わってワンランク上のドリンクになります。
探検家たちが探し求めていた理由が何となくわかります。
シナモンは香り高き神秘のスパイスなのです。
では、ニッキはというと、日本で代表的な和菓子であるニッキ飴と八つ橋です。
ニッキ飴は、飴なのに甘味より辛みが強いです。
「甘味より辛み」、これこそニッキの特徴です。
また、八つ橋は京都の代表的な和菓子ですが、半円の形をした固い八つ橋と生八つ橋があります。
昔からあるのが固いせんべいのような八つ橋ですが、最近では生八つ橋の人気が高いとか!
種類も豊富で、チョコ味とか抹茶味とかいろいろあるので、お土産に購入される方も多いのではないでしょうか。
シナモンはスパイスの一つです。
ほとんどのスパイスには抗酸化作用があると言われていますが、シナモンにも抗酸化作用があります。
数十種類のスパイスの中でも、シナモンの抗酸化作用が最高であると評価されています。
また、カルシウム、鉄分、マンガンなどを多く含有しており、香り成分に含まれているシンナムアルデヒドには、毛細血管を保護する働きがあることから、しわ、シミ、たるみの予防や改善効果があると言われています。
ニッキも効果効能は同じと考えてよいです。
シナモンとニッキの成分比較
ここで、シナモンとニッキについて、簡単に成分比較をしてみます。
シナモン
【香気成分】
シンナムアルデヒド(主成分)
オイゲノール、ベンズアルデヒドなど。
ニッキ
【香気成分】
シンナムアルデヒド(主成分)
クマリン、カンファーなど。
このように、主成分は同じでも他の成分が違うため味や香りの違いがあります。
シナモンとニッキの違い?!おいしい使い分け方
シナモンは、パウダー状のものとスティック状のものがあります。
シナモンをより効率的に使うためには、パウダーは、料理の仕上げの直前に加えるのが基本で、スティックは煮立てて使うのが基本です。
他にも使い方はあります。
それは、シナモンは国民食と言われているカレーに欠かせないスパイスです。
いろいろなメーカーのカレー粉がありますが、シナモンは絶対に入っています。
カレーに使うスパイスの中でも、ガラムマサラというミックススパイスにも欠かせません。
そのガラムマサラは市販のもので十分ですが、シナモンスティックを使って簡単に作れます。
シナモンスティック、クローブ、カルダモン、各ホールスパイスを使うのですが、シナモンスティックは半分に折って、クローブとカルダモンと一緒に炒ってからミキサーに入れて粉末にするとガラムマサラの完成です。
このガラムマサラを市販のルーで作ったカレーの仕上げに使うと、本格的スパイスカレーのような仕上がりになります。
出来上がったカレーにパラパラと少量いれてかるく混ぜるだけです。
超簡単で、いつものカレーとは別物の別品カレーが出来上がります。
因みに各スパイスのパウダーをブレンドするとより簡単にできます。
ぜひともお試しください。
シナモンを上手に使い分けると香りも味も格段にアップすることは間違いないですね。
シナモンは、パウダーは洋菓子、スティックは紅茶などに使うのがやはり一番おいしく楽しむことができるのでおすすめですが、カレーにもおすすめです。
ニッキは、ニッキ飴を使って簡単にできる飲み物などがあるんですよ。
簡単にご紹介しますと、ボトルコーヒー(無糖)にニッキ飴(2粒程度)を溶かして冷やして飲むとほどよい甘さがあってなかなかのものです。
もう一つ、市販のニッキ水を炭酸で割って飲む方法もあります。
なかなかないかもしれませんが、もし、ニッキの根そのものが手に入ることがあれば、天日干ししてから使いやすい長さに切り、おろし金やカッターナイフで樹皮を削って、アイスクリーム、ヨーグルトなどに振りかけて食べると最高のデザートになります。
ニッキの根は、昔は売っていましたが、今では見ないですね。
シナモンとニッキの違い?!まとめ
シナモンもニッキも奥が深いスパイスです。
シナモンは外国で生産されていて、まだまだ普通に日本に入ってくると思いますが、日本産のニッキは減ってしまうのかと考えると少し寂しい気がしますが、まだまだ生産者の方々に頑張ってほしいものです。
また、体に良いことはどんどん取り入れて、健康維持につなげたいものです。
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