スパイスって体に良いと聞いたことがあるけど、クミンはどんな効果があるのだろうか?
使い方が難しそうでよくわからないし、クミンとクミンシードって何が違うの?
使うとしてもどんな料理が合うのだろうか?や日本食にも合うのか?
今回は、クミンとクミンシードの違いや使い方についてご紹介します。
クミンとクミンシードの違いは?!クミンとは
「クミンと聞いて、数あるスパイスの中の一つであることはご存じの方も多いと思います。
スーパーなどで必ずと言っていいほど売っています。
クミンはセリ科の一年草で、別名「ウマゼリ」とも言います。
また、フランス語では「キュマン」、オランダ語では「コメイン」、インド亜大陸では「ジーマ」と言います。
原産地はエジプトですが、インド、アメリカ、中東、北アフリカ、地中海沿岸など世界各地で生産されています。
植物的な特徴としては、葉は細長い線状で25度から30度の環境の中で30センチから45センチに育ち、白またはピンクの花をつけます。
植えてから100日から120日で収穫されますが、スパイスとして使用する部分は「種子」と表現されており、一粒から芽が2つでることから厳密には「果実」です。
この「種子」を粉末にしたものが「クミン」です。
クミンパウダーと言ったほうが分かりやすいでしょう。
因みに、クミンを含めスパイスの生産量は、世界シェア85パーセント以上がインドです。
次に中国、バングラディシュ、パキスタンとなっています。
また、輸入量トップの国はアメリカで、ドイツ、日本、フランスと続きます。
さて、クミンはパウダーですが、「クミンシード」とは何なのでしょうか。
クミンとクミンシードの違いは?!クミンシードとは
前述でもご説明しましたが、スパイスとして使用する部分を「種子」と言います。
長さが5ミリほどですが、その種子が「クミンシード」です。
つまり、種子をクミンシードと言い、種子を細かく砕いたものがクミン(パウダー)です。
では、ここでクミンの歴史について少し触れたいと思います。
古くから使われていた歴史のあるスパイスで、その歴史は古代エジプト時代からです。
紀元前16世紀頃の医学書にも記録が残されています。
また、原産地周辺でも古くから栽培されていたことがわかる書物が紀元前8世紀頃に書かれています。
古代ローマ時代の紀元前4世紀から5世紀頃には、料理書にクミンがはじめて記録されるなど、欠かせないスパイスとして多くのレシピに使われています。
当時は富裕層がクミンを含むスパイスに熱中していたのです。
スパイスと言えばインドの印象が強のですが、紀元前6世紀から3世紀の間にインドに持ち込まれています。
その後、インドとの貿易で中国に入り、アラブ商人の海路などによってスパイスの行き来が盛んになります。
それに留まらず、スパイスの世界貿易が進み、スペインやポルトガルによって新たな大陸へ浸透し、現在では世界中で使われるようになっています。
クミンの特徴は香りの強さですが、クミンパウダーとクミンシードでは使い方も違いますし、他のスパイスとの相性や使う量によっても料理への効果が変わります。
クミンをそつなく使いこなすことができれば料理の幅が広がること間違いなしです。
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クミンとクミンシードの違いは?!効能と使い方について
スパイスは調味料の一つで、香り、辛み、色付けに使用しますが、防腐効果もあります。
そのスパイスの一つであるクミンは、料理に足すことでどんな効果があるのかと言うと、「香りづけ」と「臭み消し」です。
香りづけは、食欲増進、エスニック感、味の引き締め効果があり、臭み消しは、肉特有のクセ、カリフラワーなど独特の香りがある野菜のクセ、魚の生臭さを消す効果があります。
また、ミネラルが豊富で、ビタミンA、B2、B3、C、E、カリウム、鉄分やマグネシウムが含まれています。
さらに、クミンアルデヒド、リネモンといった抗酸化成分が含まれているため、アンチエイジング(老化予防)、免疫力の改善の効果があると考えられています。
クミンは、使う量、加熱時間、他の同じような香りを持ったスパイスとのブレンドにより香りの強弱などが決まる基本的な使い方があります。
【量】
使う量に比例して香りが強くなります。
量が少なければ丁度よい隠し味やほんのりと香りを感じるアクセントになり、量が多いと香りが前面に出てインパクトのある仕上がりになります。
【加熱時間】
加熱の時間が長いと空気中に香りが拡散するため香りが弱くなります。
調理の初期段階で使うと隠し味的になり香りがほんのり、出来上がり直前か仕上げに使うと香りが前面に出てインパクトのある料理になります。
【似たスパイスとのブレンド】
香りの強いスパイスとブレンドすると、全体的にソフトになります。
クミンの香りを出したいときは、単独で使うかブレンドするスパイスの量を抑えるとよいです。
クミンは、どちらかと言えばパウダーのほうが馴染みがあるかもしれません。
続いて、形状が異なるパウダーとシードの調理の仕方や使い方について、調理方法別に、①クミンの役割、②クミンパウダーの使い方、③クミンシードの使い方でまとめてみました。
【炒める】
①オイルとの相性が良いためうま味がプラスされる。
②食材をオイルで炒めて、塩などで調味をして出来上がる段階で加える。
③フライパンや鍋にオイルと一緒に入れて、2分から3分弱火で加熱し、香りをオイルに移してから食材を入れる。
(注)クミンパウダーははじめに入れると焦げやすい。
【煮込む】
①全体にクミンの香りが染み渡り、まとまった仕上がりになる。
②煮込み途中で加えたり仕上げの香りづけで加えたりするが、下味をつけるため塩と併せて食材にまぶしたり練りこんだりする方法もある。
③基本的に使わない
【焼く】
①焼くことで香りを引き立たせインパクトのある料理になる。
②焼いた食材の仕上げにさっと振って火を通したり、下味として塩と共にまぶしてから焼く。
③食材の表面にまぶしてから焼くとナッツのような香りがたつ。
クミンの香りは調理の方法によって変化します。
使う食材にもよりますが、パウダーとシードでは使い方や使うタイミングが異なるので、最適な方法で使うことができれば料理が楽しくなりますし、添加物ではありませんので体によい効果をもたらします。
クミンとクミンシードの違いは?!世界の地域別の代表的な料理
使い方や使うタイミングが異なるクミンパウダーとクミンシード。
ここでは、世界の地域別の代表的な料理とクミンを簡単に使うことができるレシピをご紹介します。
そして、意外と相性が良い和食とのコラボレーションをご紹介します。
【中東(西アジア(アフガニスタン除く)、アフリカ北東部)】
羊肉を串に刺して焼いたケバブ、潰したひよこ豆とクミン、パセリを混ぜて揚げるファラフェル、茹でたひよこ豆をペースト状にしてレモン、クミンで味付けしたフムスが代表的な料理です。
【マグレブ諸国(モロッコ、チュニジア、アルジェリア)】
セモリナ粉を粒状にして蒸して煮込むクスクス、ハリラ豆を使ったスープ、タジン鍋を使った蒸し料理が代表的な料理です。
【アフリカ】
アフリカはインド亜大陸から伝わったカレーが食卓に欠かせない料理です。
特に、クミンとコリアンダーを使ったフィッシュ・カレーはマイルドな香りが特徴です。
【中南米・北米】
牛肉とインゲン豆、トマト、チリパウダーを入れて煮込むテキサスのチリコンカルネなど煮込み料理が代表的です。
【インド】
インドの家庭では、スパイスの容器が常備されているほどで、クミンシードは欠かせないスパイスです。
クミンシードを油で熱する「テンパリング」という手法はインドならではで、香りをしっかり出してカレーに使われます。
代表的な料理は、スパイスやヨーグルトに漬け込んで、タンドール窯で焼いたタンドリーチキンです。
【東南アジア】
ココナッツミルク、カレーパウダー、タマリンドの酸味が特徴であるラクサというマレーシアの麺料理やクミン、クローブなどのスパイスが効いているタイのマッサマンカレーが代表的な料理です。
次に、クミンを簡単に使ったレシピをご紹介します。
クミンとクミンシードの違いは?!おすすめレシピ
定番の料理にクミンをちょいプラスするだけで一味違ったエスニックな感覚を味わうことができます。
【ピラフ】
材料(3~4人分)
米2合、鶏もも肉1枚、玉ねぎ1/2個、パプリカ1/2個、塩小2、クミンパウダー小1/2、フェンネルパウダー小1/2、オリーブオイル大1、フレッシュパクチーの葉10本。
〇作り方
①米は研いで30分浸す。
②鶏もも肉は一口大に切り、塩小1/2、クミンパウダー、フェンネルパウダー、オリーブオイル少々(分量外)をまぶしておく。
③玉ねぎ、パプリカはみじん切り、パクチーはざく切りにする。
④フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、鶏もも肉を軽く焦げ目がつくまで炒め、玉ねぎ、パプリカ、塩小1/2を加えて水分を飛ぶまで炒めて冷ます。
⑤炊飯器に米と適量の水と④を入れ、塩小1を入れて炊く。
⑥炊けたらフレッシュパクチーを加えて混ぜ、器に盛る。
【クリームシチュー】
〇材料(3~4人分)
鶏もも肉2枚、玉ねぎ2個、マッシュルーム20個、バター10g、白ワイン1/4カップ、生クリーム2/3カップ、塩小2、クミンパウダー小1/2、ターメリックパウダーひとつまみ、フレッシュタイム2枚。
〇作り方
①鶏もも肉は食べやすい大きさに切り、塩小1をまぶしておく。
②玉ねぎは1/4のくし切りにして、マッシュルームは石突を落としておく。
③鍋にバターを熱し、玉ねぎ、マッシュルーム、塩小1/2を入れて軽く炒め鶏肉を入れて、白ワインを加えひたひたに水を注ぎ沸騰したらアクをとり、フレッシュタイムを加え、蓋をして40分から50分程度弱火でじっくり煮込む。
④生クリームを③に加えて、塩小1/2、クミンパウダー小1/2、ターメリックパウダーを加えひと煮立ちさせて器に盛る。
最後に、和食とのコラボレーションをご紹介します。
和食は塩分過多になりがちと言われていますが、スパイスを使うことで減塩が可能です。
なぜなら、クミンひとつで味が整うからです。
【ごぼうのかき揚げクミン風味】
〇材料(4~5人分)
ごぼう1本、みょうが3個、A(薄力粉1カップ、ベーキングパウダー小1/2、塩小1、クミンパウダー大1)、サラダ油小1、水2/3カップ、揚げ油適量、レモン適量、クミン塩適量(※)。
〇作り方
①ごぼうは皮をむきささがきにして水にさらしてアクを抜き、みょうがは千切りにして水にさらす。
②ごぼうとみょうがをボウルに入れて、混ぜ合わせたAを適量加えて全体にまぶす。
③残りのAに水とサラダ油を加え、混ぜて②に加えて少しずつ揚げ、器に盛りレモンとクミン塩を添える。
(※)クミン塩は、クミンパウダーと塩を50/50で混ぜるだけです。
【ニラのクミン出汁お浸し】
〇材料(4~5人分)
ニラ一束、クミン出汁(※)1/2カップ。
〇作り方
①ニラを茹でて冷水にとって水けを取って絞り、食べやすく切る。
②醬油少々(分量外)をからめて水けを絞り、容器に入れてクミン出汁を入れる。
③冷蔵庫に入れて1時間程度馴染ませて器に盛る。
(※)クミン出汁の作り方
昆布(5㎝×5㎝)2枚、塩小1/2、クミンシード小2、水1/2カップを容器に入れて、冷蔵庫で一晩置いてキッチンペーパーなどで濾す。
クミンとクミンシードの違いは?!まとめ
最も古いスパイスの一つと言われている独自の刺激、強い香りやほろ苦さを持ったクミン。
世界中でいろいろな料理に使われていますが、特にカレーの香りとして親しまれています。
他のスパイスと組み合わせることでより一層クミンの良さを引き出せますし、クミンと合う食材も豊富にあるので、クミンパウダー、クミンシードの使い方一つでいろいろアレンジができます。
スパイスは何種類もありますし、組み合わせも何通りもあります。
その中でもクミンは、「スパイスを使った料理を始めてみよう!」という方に最適な使いやすいスパイスです。
抗酸化作用もあり体にもよいと言われています。
日本食との相性も良いので、はじめの一歩として、クミンからスパイスの世界に踏み込んではいかがでしょう。
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