「桂皮(けいひ)」と「シナモン」は、文字だけみると全く違うものではないのか、というような印象を持つかもしれません。
シナモンは何となくイメージがしやすいですが、桂皮はちょっと馴染みが薄くてどんなものなのかよく知らない方も多いかもしれません。
今回は、「桂皮とシナモンの違い?名前の由来は?味と香りから使い方&効用まで解説!」と題して、桂皮(ケイヒ)とシナモンの原料や作り方、また、原料のどの部分が使われているのかなどについて紹介してきます。
桂皮とシナモンの違い?何がどう違う?
桂皮(ケイヒ)とシナモンの違いがどれほどあるのか?
シナモンについては聞いたことがあったり、スーパーのスパイスコーナーでギャバンやSBといったメーカーのクミンやコリアンダーなどのスパイスと並んで販売されているのを見かけます。
一方で、桂皮という名前はシナモンに比べると馴染みがない気がしますが、桂皮は、主として漢方薬に配合されて使われています。
桂皮とシナモンについて原料、原産地、作り方などについて簡潔に比較してみました。
原料
【桂皮】
トンキンニッケイ(クスノキ科の常緑高木)
(高さ10m~17m、葉の長さ8㎝~20㎝)
【シナモン】
セイロンニッケイ(クスノキ科の常緑高木)
(高さ10m~15m、葉の長さ15㎝~30㎝)
原産地
【桂皮】
中国(主に南部)、ベトナム
【シナモン】
スリランカ、インド、マレーシア
作り方
【桂皮】
コルク層を残したまま樹皮を乾燥させる。
(出来上がりが肉厚)
【シナモン】
コルク層を取り除いて筒状にし、細かい皮を重ねて陰干しする。
(出来上がりの皮が薄い)
成分
【桂皮】
桂皮アルデヒド(シンナムアルデヒド)
クマリンなど。
【シナモン】
桂皮アルデヒド(シンナムアルデヒド)
クマリン(桂皮の約1/63の含有量)など。
【色】
【桂皮】
赤茶色
【シナモン】
薄茶色(黄褐色)
桂皮とシナモンの違い?名前の由来
桂皮(ケイヒ)(cinnamomum cassia blume:ラテン名)は、古代エジプトの古文書に記されていたと
言われており、8世紀頃に中国から日本へ遣唐使により持ち込まれ、正倉院において「桂心」
という名で薬物として収蔵されています。
シナモン(cinnamomum verum:ラテン名)は、英語では「cinnamon
ですが、ギリシャ語
からラテン語、中世フランス語から取り入れられたと言われています。
この両者のラテン名を見てみると「cinnamomum」という文言が入っています。
原産地、使い方の違いなどはありますが、大きな違いがないことが想像できます。
桂皮とシナモンの違い?味と香りについて
味と香りについては、使用する樹皮の違いもあることから、味覚の感じ方や香りも違います。
桂皮(ケイヒ)は、濃厚で独特な甘い香りとほのかな苦みがありますが、シナモンは、マイルドで繊細
な香りと甘味があります。
桂皮の方がシナモンより濃厚で香りも強いのですが、それは、主要成分である桂皮アルデヒ
ドの含有量が多いからです。
桂皮とシナモンの違い?使い方と効用
使い方については、桂皮(ケイヒ)は生薬(多くの漢方処方に配合される)として使われます。
シナモンは、お馴染みと言っていいのですが、ドーナツ、アップルパイ、焼きリンゴ、紅茶、カプチーノなどに使われることが多いです。
効用については、桂皮は胃腸の働きを整え胃腸内にたまったガスの排出を促進、発汗、解熱、
鎮痛などの効果があり、シナモンは、血流の改善、胃腸の働きを改善、発汗・解熱などの効
果があります。
両者とも同じような効果をもたらすことがわかります。
ただし、両者とも過剰摂取は逆効果ですので、適量を摂取することで良い変化が期待できる
かもしれません。
桂皮とシナモンの違い?まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「桂皮とシナモンの違い?名前の由来は?味と香 りから使い方&効用まで解説!」と題して、桂皮(けいひ)とシナモンの違いから、名前の由来や使い方や効用まで紹介しました。
桂皮(けいひ)とシナモンは、原産地や使い方の違いがあるものの原料や樹皮を乾燥させて作られることなど似たようなところがあり、それほど大きな違いは見当たりませんでした。
両者とも体に良い効果をもたらす期待できると考えられます。
ただし、桂皮は生薬(漢方薬)ですので、使用する際は用法や用量を十分注意することが必
要なようです。
シナモンは歴史のあるスパイスの一つで、スティック状とパウダー状のものがあります。
適量を紅茶やカプチーノに使ってみると、上品な飲み物に変身して爽やかな気分にしてくれ
るそんな品物です。
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