お寺から鳴り響く除夜の鐘。
「あ〜1年が終わって、新しい1年が始まるなぁ」と誰しもが感じますよね。
日本に古くからある大晦日の恒例行事である除夜の鐘。
それは仏教の教えである「煩悩」が関わっています。
「煩悩」という言葉、誰もが耳にしたことはあると思いますが
なぜ鐘を鳴らすのか…
なぜ煩悩は108個なのか…
そんな「煩悩」の意味を今回調べてみました!
仏教の奥深い教えを知ることで新しい気づきがあるかもしれません。
煩悩の意味をわかりやすく解説!そもそも煩悩ってなに?
煩悩とは仏教上の言葉です。
人を苦しめ煩わせる心、悟りに至る道を妨げる心のことを指します。
もっと簡単に言うと、この世は苦しみばかりである、その苦しみの原因は私たちの心、それが「煩悩」であると教えられています。
煩悩にもたくさんの種類がありますが、三毒といわれる根本煩悩が
貪(とん)、瞋恚(じん)、痴(ち)とよばれます。
ちなみに、慢(まん)、疑(ぎ)、悪見(あくけん)も根本煩悩。
特に「貪(欲張り)、瞋恚(怒り)、癡(無知)」からなる三毒は人間の諸悪の根源といわれるほど良くないこととされています。
次いで「慢(慢心)、疑(疑い)、悪見(悪い思想)」と書かれるように、慢心して調子にのったり、何かを疑ったり、間違った思想を持つことも良くないと説かれています。
煩悩と聞くと、一般的には強い欲がある状態のことを指す場合が多いですが、実際は貪(欲張り)の他にも致命的に良くない要素があと2つ、その次に良くない要素が3つと、煩悩と一言で表していますが、とてもとても深い言葉なのですね。
私も思い当たる煩悩がたくさんありすぎて…南無阿弥陀仏〜。
煩悩の意味をわかりやすく解説!本当に108個もあるの?
五感という言葉がありますが、仏教では人間の感じる器官は6つと言われ、目・耳・鼻・舌・身・意といわれています。
これが好・悪・平という3つの種類、清・浄という2つの状態、前世・現世・来世という3つの時制に分けられ、各々掛け合わせると108になるというものです。
煩悩の意味をわかりやすく解説!除夜の鐘を突く意味は?
お寺の境内にある大きな鐘、あなたも見たことがありませんか?
除夜の鐘とは大晦日の夜につく大きな鐘の音のことをいいます。
この鐘の正式名称を「梵鐘(ぼんしょう)」と言い、仏教の教えでは梵鐘の音には心の苦しみや悩みをいわゆる煩悩を断ち切る力があると言われています。
ではなぜ、大晦日に鐘をつくようになったのでしょうか。
元々仏教では、先祖を祀るための儀式が、お盆と正月にそれぞれありました。
それが時代と共に変化していきお盆はお参り、お正月は神様のお参りという形に変化して、大晦日に除夜の鐘をつくという儀式が風習化していったようです。
除夜とは大晦日の夜を指す言葉でもあります。
そして、本来は修行をした僧侶のみが鐘を鳴らすのですが、大晦日だけは一般の人も鐘をつくことができます。
「除夜の鐘には、心の苦しみである煩悩を断ち切る、他にもご利益を受けることができる」
と言われていた為、多くの人が鐘をつきに大晦日にお寺に行くようになり、自然と年末の儀式として広まったと考えられています。
心の苦から解放されたいという想いは、今も昔も変わらないのですね。
煩悩の意味をわかりやすく解説!文例と使い方について
「煩悩」を使った例文を紹介します。
例1
友達のことを騙そうとしたが、それでは裏切りになってしまうと考え直し煩悩に打ち勝った!
例2
遊びたいなあ、お菓子食べたいなあ、眠たいなあ、という煩悩にまみれて一向に勉強に集中できない
例3
今年こそは人を羨んで怒ってばかりの煩悩に負けず、毎日穏やかに暮らしていきたい。
元々は悪い心全般を指す言葉ですが、現代では「いやらしい考え」を指して使われることが多いようです。
私なんかいつもダイエットしようと試みると煩悩が邪魔して、ちっとも痩せることができません(^^;)
煩悩の意味をわかりやすく解説!まとめ
いかなる時代・世代でも、人間に欲はついてまわります。
「煩悩」の意味を理解することで少しでも苦しみから解放され、人生が楽しいものになるといいですよね。
大晦日に鳴り響く除夜の鐘を聞きながら、自分の中にある煩悩を捨て新しい自分で新年を迎えたいものです!
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